半分白目日記

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楡野鈴愛の異常な行動。彼女は如何にして萩尾律を洗脳したのか

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特別な関係とは

「半分、青い。」の主人公・楡野鈴愛は同じ日に同じ病院で生まれた幼馴染・萩尾律に特別な感情を持っています。

律は友達? 親友? 

何やろ、もっと、特別や

(第21週「生きたい!」122話より)

と晴に語ったように、言葉では簡単に言い表せないような関係性を律に感じているようです。

さらに律としても鈴愛に特別な感情を抱いているようです。

高校三年生の時点では

俺がアイツより一足先に生まれたのは、
アイツを守るためだったかなぁ、って

(第12週「聞きたい!」12話より)

とモノローグで語っています。

しかし考えてみれば、同じ日に生まれた人間なんてたくさんいますよね。なにがそこまで鈴愛と律を結び付けているのか? 

もしかしたら、鈴愛はあの手この手で律をマインドコントールしたのではないでしょうか? というのも、鈴愛のこれまでの行動が洗脳の手口に酷似しているのです。

笛による睡眠妨害

マインドコントロールを行うには、いくつかのステップを踏む必要があるそうです。

まずは相手を生理的に極限状態に陥らせること。例えばろくに眠らせなかったり、ひどく偏った食事を与えたり。そうされることによって人間は論理的に思考する力を失ってしまいます。

睡眠妨害といえば、鈴愛は笛で律を呼び出していました。朝といわず、夜といわず、窓の外でカン高い笛の音を鳴り響かせて律を呼び出しています。

第4週「夢見たい!」23話で鈴愛が初めて漫画を描き上げたとき、朝の5時半に笛で律を起こしています。さらに漫画二作目を描き上げたときにはもっと早く、朝の4時半。もちろん律はまだ眠っている時間です。明らかな睡眠妨害です。

笛の音によって律は若干ノイローゼ気味になっている様子もありました。第3週「恋したい!」18話では、こばやんとのデートに出かけた鈴愛を気にするあまり「ピー」という鳥の声に反応して窓の外を見ていました。逆に言えば、それほどまでに律の心理に鈴愛の笛の音が食い込んでいる証拠ともいえます。

マグマ大使という役割

次の手順は、極限状態に陥らせ価値観が破壊されつつある相手に「新しい名前」を与えることです。

心身がボロボロになった人間は目の前に提示されたそれに縋りつかざるを得ません。鈴愛が律に与えた役割は「マグマ大使」です。

マグマ大使 - Wikipedia

マグマ大使は笛の音で超高速で駆けつける「ロボット人間」です。三回笛を鳴らされると全力で戦います。

律は子どもの頃はぜんそくを患っていて身体が丈夫なほうではありませんでしたが、鈴愛はあえて律を「マグマ大使」と呼び、それを周囲にも知らしめます。律の母親・和子は身体の弱い我が子を頼りにしてくれる鈴愛に感謝さえしていました

鈴愛の手口が巧妙なのは、律に力仕事を与えないことです。窓の外で笛を吹き、律が顔を出して話を聞いてくれるだけでいいのです。本物のマグマ大使のように激しい戦いの場に呼ぶことはしません。そうやって律にできることだけをさせて「律は私のマグマ大使や」と認めることで、律をコントロールしていきました。

周囲から孤立させる

洗脳を確実にするには、相手を周囲から孤立させる必要があります。

ただ、これにおいては鈴愛は一度失敗しています。高校卒業後に鈴愛と律が上京していた時期ですね。

上京後、律には正人という新たな友達や、清という恋人ができてしまいました。このどちらも鈴愛は排除しようとしましたが、正人には拒否され、清とは大喧嘩の末、嫌気が差した律に別れを告げられました。

大都会という環境ゆえろくに笛も吹けず、律の洗脳が解けかかっていたのでしょう。別れ際に「記憶のお手玉」と称して思い出を確かめ合ったのは、洗脳が完全に解けないようにするためだったのかもしれません。

しかしそれから時を経て、鈴愛はまた律を洗脳することに成功しました。離婚後、梟町へ帰っていた時期です。そのとき律はまだ既婚でしたが、和子のために単身で梟町へ帰っていました。

鈴愛は娘の花野に笛を吹かせ、ふたたび律を支配するチャンスに恵まれます。岐阜犬や母子手帳など、和子の死に鈴愛も深く関わることで強く印象付け、葬儀中は律の妻や息子を差し置いて川原で寄り添い、律がアメリカへ行くときには抱擁を交わしました。なかでも別れ際の抱擁は今まで使っていなかった禁じ手だけに、律の心に強く残り続けたのではないでしょうか。

それから二年後、鈴愛と律は東京で再会。律は離婚して独り身になっていました。さらに一流企業を退職。結果的に、鈴愛は律を孤立させることに成功したのです。

スパロウリズム結成

離婚、退職と孤立させたあとは集団生活をさせ、さらに洗脳を深くしていきます。

律にとって集団生活とは、スパロウリズムです。

名目上は鈴愛と二人で立ち上げた会社ですが、シェアオフィスなのですぐ近くにグリーン3の恵子もいます。恵子は鈴愛に心酔しているかのような言葉を口走るほど鈴愛に傾倒しています。

さらに正人もいつのまにか鈴愛側の人間になっていました。律がアメリカに行っているあいだに鈴愛と正人が再会したそうですが、そのときに洗脳が完了しているのかもしれません。正人はしょっちゅう律のオフィスに入り浸って、鈴愛を賞賛しつづけています。これで律の洗脳はもう揺るぎないものになっているに違いありません。

また、「相手に自分が選んでやっていること」と思わせて行動させるのが洗脳の一例だそうです。

律が会社をやめるとき、鈴愛は一度それに反対しましたよね。人格否定までして律をひどく傷つけました。そうして相手にショックを与え、あたかも相手が自分で選択していると思わせて行動させることに成功しています。鈴愛の支配の結果、律はとても幸せそうに見えます。自分のやりたいことをやっている、そんな錯覚に陥っているとも知らずに、鈴愛のコントロールは続くのです。